トム君の書評

日々の生活の中での書評

独りでやれるよ

著者:ごんだいらひろこ   分野:紀行文/随筆

出版:文芸社

2003年3月 初版

 

母の知り合いが書いた本である。おばさんが書いた本などおよそ予想がついて、だれだれさんが体調が悪くなって何とかの病気になって大変だが、現代医学は発達しているものだから、たいていは完全ではないがある程度よくなって、でも後遺症が残って大変だとか、自分の思いやりを装った内容だとかと読む前から予想されてあまり読む気にならないものが多い。

 この本はというと、実際そういう内容が多いのだがそれにしては退屈せず最後まで読んでしまえる(それでも、ややうっとうしかったが)のはやはり著者の筆力や語彙の豊富さなどだろう。海外旅行の話が8編あり、これらについては私が行ったところも、これから行きたいところもあって、共感や思い入れを感じる部分も多い。また、後半の随筆風日記部分も、亡父との思い出や初めてのパソコン体験などがあって以外に感動があり読める。著者は地元の同人誌で「コスモス文化大賞」をとられたそうだが、本書を読む限り納得する。母はまだ読んでいないそうだが、読めば喜ぶことと思う。