善の研究
実家で大学一年くらいに買ったように思われる。何度も読もうとして跳ね返された。
今回、買ってから30年たって、おぼろげながらも概要をつかむことができたのはうれしい。この本は、岩波文庫の中でも最も売れた本らしい。昔の日本人には感心させられる。
第1章は純粋経験について。W.ジェームス等から影響を受けた言葉で思考を経ない直覚的経験のことを言うらしいが、直接経験との厳密な意味の違いは読み直さないといけない。第2章実在論、第3章倫理学で、特に第3章では善の意味について様々な角度から述べられているので、結果として、人生論、幸福論になっている。第4章は宗教について述べられるが、ここでいう宗教はほとんど基督教なのは少し意外な感じがする。仏教についても深い理解があるのだろうが、これについては別の文献を読む必要があるのだろう。
この本は、西田哲学の端緒に過ぎないらしいが私が次の内容に今後進むことがあるのかはわからない。ともかく、人生をとても勇気づけてくれる1冊。
日々の読書の備忘録
最近、25年ぶりくらいにわりと自由時間ができたので、せっかくだから今まで読めなかった家や自分の蔵書を読んでは処理しています。久しぶりに実家に住んでいるのだけど、半分ごみ屋敷状態でした。しかし、捨てるとなるといちいち母に文句を言われるので、一応書物の顔を立てておきたい。若いときはわからなかったことが、年を取って少しはわかるようになればいいと思っています。いつまで続くかわからないけど、書評(というほどでもないコメント)を記してみようと思います。
若いころは読書がとても好きだったのだが、長年技術者をやっていて豊富な語彙とは程遠い生活を送ってきたため、使いこなせる言葉が少ないと思う。せっかくの機会なので使える単語も増やしていきたい。
日記も記しています。こちらも良ければどうぞ。