トム君の書評

日々の生活の中での書評

(転職が成功する!)面接力トレーニング 

監修:箱田忠明        分野:ビジネス/人事/就職

TAC出版           定価:本体667円(税別)

2009/7 初版

評価:★★★★★

それにしても一貫性のない、書評ブログだな~。あまり人に読まれることを仮定していないもので --;

しばらく引きこもり生活してたんだけど、最近1年半ぶりくらいに再就職できました。この本はとても役に立ってくれました。(著者とあったらたぶん嫌いになるだろうけど)当たり前のことかもしれないけど、面接試験ではある程度演技することが大切なんだな~ということにいまさらながら気づきました。今までの転職は割と売り手市場で済んでいたけど、この歳になるとかなり条件も厳しくなってくるので、ある程度のテクニックは持って面接に臨まないといけないようです。といっても、うそをつくわけにはいかないので、いかに自分の有利なところに話を持っていくのかが重要なようですね。そうは言っても、あまりできないことも「できます」などと言うと後でまた困ったことになるので、どんな仕事をするのかよく聞き出せるかも重要だと思います。といっても、面接する側の都合優先だから、こちらが聞きたいことは面接では全部は効けないかもしれないんですが、、、、。

 この本には、予想される質問がほとんど網羅されていて解答例が載っているうえに、こちらからするべき大事な質問もほとんど載っているので非常に良いです。質問する狙いなども書かれているので、面接官の意図を十分推測して応えればうまくいきそうです。この本を十分頭に入れておけばたぶん合格できるでしょう。回答にすべて本心を話す必要もないです。半分は演技なんですから。若いころは、なかなかそうできなくて、嘘はつきたくないな~と思ったりしたんですけど。別に嘘をつく必要もなくて前向きに謙虚に答えさえすればそれでよいんですから。とはいっても、もうこの本にはお世話になりたくないものです。

特効 我が家の健康医学3 アレルギーの治し方と体質改善法

監修:黒木睦彦         (分野)医学/薬学/健康

出版:三心堂出版社        定価:¥820(本体価格796円)

発行:1996年5月

評価:★

この本を買ったのは15年以上前だろうか? 売れなかった新古本として駅の片隅でたたき売られていた気がする。以前からあちこち読んでいたが、今回きちんと全部最後まで読んでみた。

 感想として、やや古いとはいえ、非常に立派な本で内容自体は全く古びていない気がする。筆者は、おそらく薬学の大家だと思われる。アレルギーのことは今でもよくわかっていなくて、いわゆる先人からの伝承としての知識があるだけと思われるが、ここに集められた治療法はそれらの集大成と考えられ、今まで必ずしも科学的な裏付けがあったとは言えないと思われるが、おそらくここに書かれていることはほとんど正しいのであろう。そして、いままで科学的に証明されたとは言えなかった、ここに書かれている内容も現在のハイテクで証明されるるある状況だろう。

 各種アレルギーに対する、いわゆる東洋医学の対処法がいろいろ述べられている。治療法としては、指圧、マッサージ、お灸、食事療法、漢方薬、体操ということになる。このうち最も有効なのは、漢方薬だろうと述べられており、私ももっともだと思うが、この本自体は漢方薬の本ではないのであまり詳しく述べられていない。上に述べられた治療法はどれも有効だと私も思うが、もし忙しいビジネスマンだとしたら自分で実行するとなるとどれが簡単に実行できるのだろうかとやや首をひねってしまう。一方、人に頼って行うとすると費用も高くなって決して簡単なものではないだろう。例えば、漢方薬を使うとすると、現在では漢方薬の名医は非常に少ないと考えられるし、漢方薬も長く飲むとなると高価なものについてしまう、、、。

 そんな中、今回特に良いと感じたのはお灸である。これは、それほど時間もかからないし、それほど高価でもない。それでいて即効性もかなりあると考えられる。私も疲れを感じた合間の15分、20分に自宅で実行してみたが2,3日続けるだけで喘息の息苦しさや、鼻詰まりなどかなり改善された。最近、ヨーガ、漢方薬などいずれもブームになっているが、遠からず、そして息長く今後はお灸がブームになると予想する。

東上線 各駅短編集

 著者:廣野すぐり              分野:小説/エッセイ

出版:まつやま書房             定価:1200円+税

2012年10月 初版第一刷

2013年1月 初版第二刷

評価:★

実家がある東武東上線の各駅を記した本なので、当然評価は高くなるべきであるが、実際はそこまででない。確かに東武東上線は郊外を走る電車であまり派手なものではないが、私には子供のころから慣れ親しんだものなので、何とも言えない愛着がある。もともと東武東上線は、東上鉄道だったそうだが、その後東武鉄道に吸収された経緯があるそうだ。そのため、他の東武鉄道とは離れた独自の文化圏を作っている。また、さいたま市(昔の浦和・大宮)文化圏とはまたかなり違っている。今では、何しろ渋谷にも、自由が丘にも横浜にも一本で行けるのだからすごい。とはいっても、埼玉の中というのはお互いの交通の便がひどく悪くて、埼玉県民の一体感というのが感じられる機会というのはあまりない気がして残念に思える。

 この本は、東上線の各駅についての短編の小説と、区間区間の特徴を述べたエッセイからなっている。非常にマイナーな駅も含めてすべての駅について取り上げているのは非常に良い。小説のほうは、毎回全く異なる主人公になっていてその点はつまらなく感じる。数人の人物もしくは一組の家族などを使って、お互いをつなげられればもっとふくらみが出て良くなると思う。また、登場人物が平凡な市民ばかりであるのは良いと思うが、あまりにせこい小市民ばかりで、考えることといえば自分の出世が終わっただの、家族のこんなところが気に入らないだのそんなことばかりで変に自己満足に陥っていて、自分を省みたりもっと高めようという気持ちが感じられないのは気に入らない。書いているのも所詮はそんな人なのかという気分になってくる。そういえば、著者は男なのだろうか女なのだろうか? たぶん、男だと思うが、もし女なら小心な男心がよくわかっていて感心なことだと思う。

 しかし、良いところもある。よく取材されているので、沿線のことがよくわかる。自分が知っている道の描写だと嬉しくなってくるし、読んでいて歩きたくなる道も多い。最後の池袋はすべての短編の中でもきらりと光る佳作になっている。

平壌(ピョンヤン)で朝食を。

著者:勝谷誠彦             (分野)小説/現代

出版:光文社文庫             定価:本体533円+税

2010年8月 初版第1刷

評価:★★★

この著者は、以前に西原理恵子関係の本で見たことがあった気がするので、手に取ってみた。やはりというかかなり過激な人物で、週刊文春の記者を最初はしていたそうだ。テレビのコメンテーターなどとしても呼ばれていたらしいが、最近すべて降板させられたそうだ。見れたら面白かったろうに残念だ。また、おそらくボクシングやプロレスのような格闘技もしているのだろう。体がよさそうだ。

この人がほかに小説を書いているかどうかは知らない。多分、ジャーナリストとしての仕事が忙しいためあまりしていないのだろう。それで、読んでみてなのだが、8編の短編からなっているがなかなか面白い。創造力も高いのだろうし、文章も日ごろ書き慣れているせいかうまいと思う。

ただ、私との感性の違いか残念ながらもう一度読みたいという作品はほとんどなかった。私には毒が強すぎて、読んだ後さわやかな気持ちにはなれないものが多い。時事ネタの負の面を題材に取っているせいなのでやむを得ないことと思う。また、登場人物についても友達にしたいという気にはなれない。たぶん私は、市井のもっと平凡な人物のほうが波長が合うのだろう、、、。

しかしその中で、「連絡船のうどん」の一作は文句なく良い。四国から本州へと移住する人間の覚悟と決意が伝わる作品になっており、最後のシーンも実によいと思う。これだけは、何度も読み返してしまった。私にとっての、「連絡船のうどん」は「天下一品」のラーメンだろうか? 京都で友達と食べた情景が目に浮かぶし、その後、東京や京都に旅行した時も何度か食べたが、やはり学生の時食べたほどはおいしく無く感じる。多分、それぞれの人が少なくとも一品くらいは「連絡船のうどん」のようなものをきっと心に持っているのだろう、、、。

他には、私も近鉄ファンだったので、「ナニワ金鉄道」もなかなか良かったが、登場人物が好きになれなかったのが残念だ。

次の作品が出たとして、たぶん買わないだろうな? いやでも買ってしまうかも、、。

 

 

これから5年 株は「買い」で決まり!!(東京オリンピックまでに資産3倍増)

著者:杉村富生                 分野:金融/経済

発行:株式会社すばる舎

初版:2015/3  第3刷:2015/4                                      定価:本体1400円+税

評価:★

観ての通りの題名の本である。こういう本は、使い捨てなのだが数年後に読むと、著者の予言がどれくらいあっているか確かめられる楽しみがある。こういう本は情報が新しくないと意味がないとも聞くが必ずしもそうでもなくて載っている銘柄が数年後に動き出す場合も多いと思われ、それだと得した気分になる。

 昨年は、ほとんど停滞せずに日経平均TOPIXも2割以上騰がったので、株をやっている人はほとんど儲かったのではないかと思われる。

 この本の予想は概して当たっており、そういう意味では今後も好調が維持されると期待してよいのだろうか。好調の理由はもちろん企業業績が良いことが最も大きいのだろうが、その大きな遠因としてアベクロミクス(特に長期政権が長く続くと株価が騰がるジンクスが多いこと)と東京オリンピックが挙げられている。私は安倍氏のやりかたも黒田氏のやり方も明らかに金持ち優遇で感心しないが、しかし、実際ある程度の恩恵を受けていることは認めねばならない。このような時代、投資を行わないという選択肢は非常に危険であり、私のように健康に不安があって常に働けなくなるリスクがある人にとって、投資による収入は本当に助かる。以前、離婚した前妻の愚かな義母が私が株をすることをくどくど悪口を言っていたが、それでいて私が株主優待の品を恵もうものなら嬉々としていたのは笑ってしまう。

 しかし、株で年数十万円のレベルで稼ぐことは比較的容易に思えるが、年200万以上も目指すとなると、かなりリスクも高まってくるし投入する資金と時間も多く必要なことが予想されて、なかなか踏み込めないでいる。

 後半では、著者の推奨銘柄が5種類に分けて示されており、これはそれぞれの種類ごとに特色があって非常に良い。私は、とりあえずローリスクの低位株を仕込んでみている。これだと、つぶれて0になるリスクもあるが、少し上がればたちまち2,3倍になることが期待できて面白い。

外貨で月20万円稼ぎ続けている私の連勝法

著者:山根亜希子           分野:金融/経済

発行:明日香出版社          

初版:2005/5  第18版:2005/6                    定価:1470円(本体1400円+5%税)

評価:★

昨年の7月にFXの本を読んだので、より実践に近い内容ということでこの本を読んでみた。筆者は、昔からよくネットでお見掛けする方である。版数を見るとずいぶん売れているようだ。

序文に書かれているが、株で大きく儲けるのは非常にハイリスクで難しいことだということだ。これは、FXでも変わらないというか、よりハイリスクに思える。ただ、何度も述べられるのだが、少ないレバレッジでSwap Pointも使ってコツコツ稼ぐには確かにFXは株より理がありそうな気がする。資産運用はFX→株→不動産と進めるのが良いとどこかにも書かれていた。確かにFXは株や不動産より単純ではある。しかし、基本的に丁半博打なので、株より危険な面も大きいので、少額で慣れてからでないと大きな勝負はしないほうが良いだろう。

 いろいろな面からFXのメリットが述べられている。外貨預金と比較するとスプリットが比べ物にならないほど小さい。ただ、Swap Pointにマイナスがあるので、持っているだけで為替が動かなくてもお金が減っていくことがあることは気をつけねばならない。それでもFXに比べて外貨預金のほうがよっぽどブラックだという筆者の主張はもっともで、私も長らく外貨預金をしてきたが、これ以上新規の資金を入れるとしたらFXに回したい。銀行によって外貨預金のスプリットをかなり良くしたり、利率も比較的高くしているところも出てきているとは思うが、やはりFXには遠く及ばない。

 取引会社の選び方も詳しく書いてあってとても良い。名の知れた大きな証券会社など全然よくなくて、ネット専業業者のほうがずっと条件は良いようだ。ただ、わたしはIG証券というあまり聞かないところでデモ口座を作っているがここは使い方がよくわからなくて初心者向きではない気がする。実践するには時間がなくて、数社の資料を取り寄せたままになっている。

 もう一冊くらい専門用語やチャートの見方など学習出来たら実践してみたい、、、。

カモちゃんの今日も煮え煮え

評価:★★★

著者:鴨志田穣 絵:西原理恵子      分野:エッセー

講談社文庫                定価:本体495円(税別)

2007年7月初版

 

鴨志田氏の名前を聞くのは10年ぶりくらいで、懐かしくてつい古本屋で手に取ってしまった。鴨志田氏と西原氏の本をよく読んだのは20代のころだった。今思うと仕事のストレス解消や海外へのあこがれが読ませたのだろう。読んだことがない本だが、内容的には以前に読んだもののエピソードの繰り返しが多い気がして、目新しいものは少ない。なにより、もっと多い量を、高い質で書けばもっと良くなると思うが彼には無理なのかもしれない。鴨志田氏の名前は「ゆたか」というのだということが今回判明したのは収穫だ。ずっと「じょう」だと思っていた。ともかくも、この本を見ると彼の作品は6冊まで本になったらしい。それはそれだけですごいことだ。また、2007年に彼がなくなった後、1200人が送る会に訪れたそうだ。確かに、彼の破天荒な生き方に惹かれる人が私を含めていたのだろう。その後、高須医院長と西原理恵子氏を相撲中継でよく見かける。好意も悪意も感じないが、西原氏の男の趣味についてはなんとなく納得してしまう。

 私自身、若いころ世界を放浪してみたかったが、残念ながらその体力も勇気もなかったので、それを実行してしまう彼に惹かれるのだろう。ただ、この本の何篇かのうち何度も読み返したいと思うものはほとんどないのは残念だ。何か、後味の悪さやくだらなさを感じてそこまでしたいと思わない。まあ、割と良いのは第1話と第5話かな?